オブジェクトを破壊するアドオン、『Cell Fracture』。
簡単に岩やガラスをそれらしく粉砕してくれる。
Cell Fractureと剛体(Rigid Body)シミュレーションで
グラスを割って破片を床に落としてみるまでの覚え書き。
準備
「Cell Fracture」を有効にしておく。
のアドオンから、ツールシェルフのツールタブに[Cell Fracture]が現れる。
オブジェクトが小さいと、綺麗に分割されない。
対処法がわからないので、グラスを10倍に拡大した。
UV球を作成して、ヒビを入れたい場所に移動させる。
グラスとUV球を親子設定する。
UV球を選択し、親にしたいグラスを最後に選択してから
(Ctrl+Pキー) を実行する。
ヒビ作成用オブジェクトは、とくになくても構わない。
グリースペンシルでのヒビ位置指定もできる。
これらを指定しないで実行すると、均等に粉砕されるので、ちょっと不自然。
オブジェクトを粉砕 (Cell Fracture)
「オブジェクトモード」にて、壊したいオブジェクトを選択し、
[Cell Fracture] ボタンを押す。
オプション画面が出てくる。
今回はひび割れに子オブジェクト使うので「Child Verts」を選ぶ。
「ノイズ」は割れ方のランダム性。適当な数値を入れる。
Cell Fractureオプションの詳細
【Point Source】分割数の設定。複数選択可。 |
Own Verts : 選択したオブジェクトの頂点数が分割数になる。 Child Verts : 子オブジェクトの頂点数が分割数に。 Own Particles : 「パーティクル」で設定した数 子パーティクル(Child Particles) : 子の「パーティクル」で設定した数 グリースペンシル(Grease Pencil) : グリースペンシルで描いた頂点数。 Source Limit :分割数の最大数。 0で無制限。 ノイズ(Noise) : ランダム性。数値が高いほど不規則になる。 |
【Recursive Shatter】分割されたオブジェクト(破片)の再分割の設定 |
Recursion : 破片をさらに分割する。Recursionの数値×Point Source数値が、分割される数になる。 Source Limit : 分割の最大数。0で無制限。 Clamp Recursion : オブジェクトの最大数。この値を超えたオブジェクトを作らないように、再分割を制限できる。0で無効。 |
再分割する破片の対象を選ぶ。 ランダム(Random) : ランダム Small : 小さいオブジェクト Big : 大きいオブジェクト Cursor Close : カーソルに近いオブジェクト Cursor Far : カーソルから遠いオブジェクト |
【Mesh Data】破片の断面に関する設定 |
Smooth Faces : スムーズ シャープな辺(Sharp Edges) : 無効の場合はエッジを鋭く設定。(??"Set sharp edges when disabled"が原文) Apply Split Edge : 鋭いエッジを分割 (無効だと断面の角が取れて丸くなる。) Match Data : オリジナルメッシュと同じマテリアルとレイヤーを使用 マテリアル(Material) : 内側(断面)部分のマテリアルをインデックス番号で指定 Interior VGroup : 内側(断面)部分の頂点グループを作成 余白(Margin) : 破片同士の隙間をあける(物理演算がより安定する) Split Islands : 分離したメッシュを分割 |
破片同士がなんだか丸くなる。
設定が終ったら[OK]ボタンを押すと、処理が開始される。
処理が終わると、Cell Fractureを実行したオブジェクトの隣のレイヤーに、
分割されたオブジェクトたちが作成される。
分かりにくいので、シェーディングを「レンダー」にしてみる。
こんな塩梅になる。
ヒビ指定した箇所を中心に割れていく。
気に入らなければ、レイヤー内オブジェクトを削除して、再びCell Fractureする。
剛体(Rigid Body)シミュレーション
粉砕されたオブジェクトをすべて選択する。(Aキー)
Cell Fracture実行後に何も弄っていなければ、全選択状態になっている。
の [アクティブ追加]ボタンを押す。
破片オブジェクトとは別のレイヤーに、床にするオブジェクト(平面プリミティブ)を用意する。
床だけを選択状態で(破片は非選択)にして、
の [パッシブ追加]ボタンを押す。
破片と床に、剛体が設定される。
破片と床のレイヤーを分けたのは、「破片のみ全選択」をしやすくするため。
両レイヤーを表示するときは、Shiftキーを押しながらレイヤーを選択する。
タイムラインの終了フレームを長めに設定して(デフォルトは250)
[アニメーション再生]ボタンを押す。
破片が落下していく様子がシミュレーションされる。
剛体の再設定
剛体の設定を変更したいときは、破片を全選択し、
どれか一つをアクティブにした状態で数値を変更、
の [アクティブからコピー]ボタンを押す。
「摩擦」 を低くすると、滑りやすくなる。
「弾性」 を高くすると、跳ね返りやすくなる。
床の方も、合わせて調整するとよい。
場合によっては、細かい破片が床をすり抜けて落ちていく。
よくわからないが、床の[剛体コリジョン]の感度: 余白 を
デフォルトの4cmから10cmにしたら、床に留まるようになった。
大きすぎても小さすぎてもダメらしく、
シミュレーション具合を見ながら調整した。
大きいと破片が上空へと飛んで行ってしまった。
レンダリング(F12キー)して完成。
「Cell Fracture」以外にも、オブジェクトを破壊するアドオンに「Fracture Tool」などがある。
Blenderにデフォルトで入っている。
参考リンク